(未完) 2022年によく聴いた音源のこと

過剰な円安以前から材料費と輸送費の値上がりで、所謂輸入盤レコードがどんどん高くなってて、今年の円安で更なる追い討ち。もう全然普通に買える値段じゃなくなってしまった。年々買う枚数が減っているけれど今年は更に買っていない。もう音楽好きとかレコード蒐集が趣味とか言っちゃダメなレベル。

サブスクの配信しかない音源含めても大した数聴いていないけれど、今年よく聴いた音源についてつらつらと。


1. リーガルリリー - 恋と戦争 (配信のみ)

順不同だけどまず最初はリーガルリリーの配信でのリリースのみのEP”恋と戦争”から。リーガルリリーという名前だけはどこかで目にしていたけど聴くに至ることは一度もなかった。それが今年になってからENEOSで給油をする度に流れてくる曲が気になって調べたところでたかはしほのかを知ることに。そしてリーガルリリーに興味がわき聴いてみたらハマった。

そのENEOSで流れていた曲はもう非公開で視聴できなくなっているのが残念。ENEOSさん、また公開してくれませんか?

ハマったとは言えフィジカルはCDのみだから即購入とはならず、しばらくサブスクで聴いていた。一周目からいいじゃんいいじゃんってなってはいたけど、周回が増す毎にツボがたくさんあることに気がついた頃には購入することが決まっていた。あとから書く”Cとし生けるもの”の初回盤を買ってしまった。もう完全に虜になった。

夏頃に配信のみでこのEPがリリースされると発表された時は正直アルバムより良いってこともないだろうぐらいに考えていた。間違いだった。間をあけて”ノーワー”と”明日戦争が起きるなら”が先行で配信され、その後残り2曲も配信。最初の2曲が良すぎて期待はそんなにしていなかった3曲目”地球でつかまえて”が名曲だった。おそらく今年一番聴いた曲だと思う。

たかはしほのかがなにかのインタビューで、以前と比べて音の壁を減らして歌を引き立たせるような音にしたというようなことを言っていて、”Cとし生けるもの”と比較すると確かにギターの主張は弱まっている。曲の構成もシンプルになっている。そんな中”地球でつかまえて”は印象的なフレーズで始まり、歌の後ろでハイハットの16分音符とアコースティックギターのコードストロークがシンクロして軽快な雰囲気を作りあげている。

曲調は全く違うけど聴いてすぐに思い出したのがJudy And Maryの”くじら12号”でした。

“地球でつかまえて”に関してはコード進行も好きなパターンで、何度も何度も繰り返し聴いても全く飽きがこない。次のアルバムが本当に楽しみ。



2. リーガルリリー - Cとし生けるもの (CD)

今年の僕と言えばリーガルリリーというぐらいほぼ毎日聴いている。こういう感じで出遅れながらもハマってレコード全部買ったけどThe Bethsはもう飽きてしまった。なにが違うのかは多分明らかで、すごくいいんだけどどの曲もなにかっぽい雰囲気があって、最初のうちは楽しく聴けるのにだんだんつまらなくなってしまう。リーガルリリーはどうかというと、多分僕が知らない日本のバンドの似てる感じの音があるのかもしれないけどそれを僕が知る事は未来永劫ないから気にならない笑 

たかはしほのかの特徴的な声からはいったリーガルリリーだったけど、一番新鮮だったのはちゃんと大きな音が鳴っていることを音源から感じられたこと。日本の音楽のレビューとかでとても嫌なのは、やたらと歌詞ばかりフォーカスしては解析、分析をしてああだろう、いやそうじゃないみたいなことが書き連ねられているところ。たかはしほのかの書く歌詞もどうやらそういう対象として捉えられているようだけど僕には関係がない。韻の踏み方や言葉選びが面白いなと思う箇所は多々ある。それもあくまで音の一部だから内容は比較的なんでもいい。

彼女の弾くギターの音で驚いたのが全編に渡りコーラスがかかっていること。90年代の所謂オルタナと言われた音楽で聞かれたようなコーラスと歪みがかなり前の方で鳴っている。先述したように”恋と戦争”では控えめになったギターがここではとにかく主張しまくっている。不思議なコード進行に転調、変拍子とバンドとしてとてもいい状態なんだろうということが窺える。

1曲ずつ解説したいぐらい完璧なアルバム。

たかはしほのかのことかなり好きになったのでミニアルバム3部作と前作Bedtime Storyも購入しました。




3. A Place To Bury Strangers - See Through You (LP)

バンドを始めてからはDeath By AudioのOliver Ackermannという印象の方が強いけれど音源はいつも通り強烈。

去年リリースされたEP ”Hologram”からベースとドラムがCeremonyの2人になったことでもしかしてこれはSkywave?と思ったけれどそんなわけがない。前作にあたるPinnedリリース後にベースとドラムが抜けてどうなることかと思ったけど変わらず刺激に溢れた音が満載。

世間ではシューゲイズに括られているようだけど果たしてAPTBSはそんなところにカテゴライズされるような音楽なのか。ひたすらにノイジーでスペイシーでサイケデリック。それがたまたまシューゲイズっぽく聴こえる時があるだけじゃないかと常々思っている。

事実上のファーストアルバムExploding Head (Reverbのみ500ユニット限定でDBAの新作Exploring Headも発売) もリマスターデラックス版でリイシューされたし次に来日がある時は東京以外でもやって欲しいな。



4. Alvvays - Blue Rev (LP)

2017年のAntisocialitesぶり3枚目のアルバム。ファーストアルバムが音、フレーズ、メロディ全てにおいて最高だったのでAntisocialitesは少し物足りなさがあったのは否定できない事実で、曲はいいのにアレンジや音の感触が微妙に飽和気味で、バンドとしての存在感が薄れた気がしたんですね。ちょっとなんて説明したらしっくりくるのかわかりませんが。それが今作ではちょうどいい塩梅に収まっていて、曲数のボリュームはこれまでで1番多いのにあっという間に聴き終えてしまう。あっさりしているわけでもないけれどあっという間。

ここ数年の原材料費の高騰と今年の円安傾向が重なり、しかもPolyvinylからの輸入盤を国内レーベルが止めてまで売りたいめちゃくちゃ不要な帯付きLPしか売られていない上にレコード1枚でほぼ5,000円。その値段のせいでパスしようと思っていたけれどApple Musicで1曲目Phamacistを聴いた瞬間涙を流しながら注文しました。結果的には買って後悔はないのですが、それでもこんなしょうもない帯いらないのでもう少し価格設定抑えて欲しいよなあとは思います。



5. Pretty Sick - Makes Me Sick Makes Me Smile (LP)



6. Gills Band - Most Normal (LP)



7. Wet Leg - Self Titled (LP)



8. Horsegirl - Versions Of Modern Performance (LP)



9. No Age - People Helping People (LP)



10. Pip Blom - Welcome Break (LP)




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